私は本を読むことが好きです。
自分のペースでページをめくり、自分だけの想像の世界が広がる。
本の中では誰もが主人公で、どんな冒険だってできる。
言葉のひとつひとつから、自分なりの想像で、景色や音や香りを作り上げることができる。
主人公の顔や姿、声を思い浮かべ、まるで本の中に入り込んだように世界が見える。
ページをめくるドキドキ感や、高ぶる興奮、高揚感、そんな本に出会えるととても嬉しくなる。
子供たちも本を好きになってくれるといいな…と思って小さな頃からよく読み聞かせていた。
子供は何度も何度も同じ本を読みたがる。
何回も何十回も読んだ本。
でも、毎回声色を変えたり、少しアレンジしてみたりで、楽しんで読んでいた。
子供は字も読めない小さい頃から、本を「見て」、自分の物語を作る。
ページをめくりながらつたない言葉で、絵から想像して物語を作る姿はとても微笑ましい。
見えなくても読める本を
そんな、「本を読む」ことを諦めてほしくなかった。
見えない子にも読む楽しさを…と始めた点訳ボランティア。
私の甥っ子は目が見えない。
未熟児で産まれたため、未熟児網膜症になり、かすかな光は感じているものの、物を見たり、文字を読むことはほぼできない。
私の妹である甥っ子の母親は、目が見えないのだから仕方ない…と、本を読むことを避けてきていた。
でも私は知ってる。
彼女も本が好きだし、読み聞かせの時間が好きなことを。
目の見えない子供を持つ親の気持ちは、なってみないとわからない。
話で聞いても、想像しても、きっとそれ以上に大変なことだろう。
少しでも私にできることはないだろうか…
それで始めた「点訳ボランティア」
図書館などにある点字絵本の修復や、普通の文字で書かれた絵本を点訳するお手伝いをしています。
数年前から始め、毎月数冊ずつしかできないのだけど、私の点訳した絵本がようやく100冊目となりました。
目は見えなくても、指先で感じることはできる。
まだ点字が読めなくても、「絵」として感じることができる本もある。
お母さんがお話を読んであげて、「絵」の部分を子供に触れさせてあげると、お話の世界が指先から感じることができます。
そして、点字が読めるようになれば、「本」も読めるようになる。
目の見えないお母さんが、我が子に本を読んであげることもできる。
私の力なんて微々たるものだけど、見えない子のため、見えない子を持つ親のためにこれからもずっと続けていきたいと思います(*^_^*)
