2年まで箱根駅伝になんの興味もなかった。
むしろ、お正月の朝に2日も連続やってて、見に行く人も何が楽しいんだろう?って思ってた。
おばあちゃん家に正月の挨拶に行くと必ずテレビを付けていて、応援していた。
ひたすら人が走っているのを見てるだけの何が面白いの?
それよりお笑いにしてよ~!って思ってた。
それが、去年から変わった。
子供たちが陸上を始めたのが大きな理由だ。
腕の振り方・腿の上げかたなどの走り方や、タスキの受け渡し方、またタスキの重みなども教わってきた。
昨日も朝から起きてきて、スタート前からテレビの前に正座しだした子供たち。
良い走り方を学ぶには、良い走り方を見ることも大事なんだと。
しかも去年に引き続き、陸上教室の先輩がこの箱根駅伝で走っているのだ!
数年前までここにいた先輩。
もちろん一緒に練習はしたことはないけれど、同じチームにいた卒業生だというだけで応援にも力が入る。
初めて往路も復路も通しで見た。
素直な感想は、なんて感動的なんだろう!
彼らはただ走っているだけではない。
1本の母校のタスキを次につなぐために戦っている。
寒い寒い箱根の山を限界超え意識朦朧としながら次の走者が待つ所へと走る姿は涙を誘う。
今年も予想を超えたドラマがあったのではないだろうか?
大半の優勝予想は駒澤大だった。
実際4区までトップにいた。
しかし、5区で何度も立ち止まり、前のめりに両手をつき倒れこんだ。
大丈夫?
どうしたんだ?
何が起きた?
そのあとも何度も転倒していた。
もう目もうつろ。
もぅ、走れないんじゃないか?
でも、ゴールは目の前。
がんばれ!がんばれ!!
彼は起き上がり、走り出した。
もう少し、もう少し!
ゴールと同時に倒れ緊急搬送。
低体温症だったそうだ。
なんとか、タスキを、、、
このタスキを仲間へ、、、
そんな必死の思いがテレビを通しても伝わってきた。
ほかにも、8区のゴール手前。
早稲田大と明治大の戦い。
もうすでに20キロ以上を走ってきている彼ら。
しかし、少しでも速く、少しでも順位を上げて仲間にタスキを繋げたい思いからすごいデッドヒートが繰り広げられた。
抜かし、抜かされ、もう全力疾走のような走り。
どこにそんな余力があるの?ってくらいの精神力。
恐ろしいくらいの気迫だった。
無念にも繰り上げスタートになってしまったチームもあった。
もう少しだった。
ほんとにあと数秒のところだった。
でも・・・届かなかった。
途切れてしまった母校のタスキ。
泣き崩れていた。
優勝した青山学院大学。
往路で優勝してからは一度も危うさすらもない安定した走り。
普通、前に走者がいないとペースは落ちるらしい。
ライバルや目標とする背中があると、追いついてやる!追い抜いてやる!とペースは上がる。
トップだと1位だという安心感もあるだろう。
少しは落ちそうなのに、全くだった。
ペースが落ちるどころか7区から9区は区間賞も取ってしまった!
本当に独走!
どんどん2位以下を引き離して走っていた。
走り終えた選手は疲れよりも「気持ちよかったぁ!」と叫んでいたのも印象的だった。
凄いなぁ。
面白いなぁ。
ほかにも書ききれないほどのエピソードや、ドラマでは作り出せない臨場感あふれるシーンがいくつもあった。
近かったら私も応援に行ってたかもしれないな。
頑張って走る選手に声援を届けたい!って思った。
テレビの前で子供たちと叫んでた。
毎年楽しみに見ていたおばあちゃんの気持ちがようやくわかるようになった。
感動的だった。
横を見ると子供たちも目を潤ませていた。
しかしジッとテレビを見つめていた娘が一言。
『なんで箱根駅伝は男子しか出れへんの?なんで女子が出たらあかんの?私は出たい!これに出たい!練習めっちゃ頑張るから、もっともっと頑張るから、大学生になるまでに女子も出れるようにコーチになんとかしてもらおう!!』
娘が大学生になるまであと10年ある。
なんとかなるだろうか?
娘に強い目標が出来たみたいだ。
さっそく走る練習に行っていた。
初めてちゃんと見た箱根駅伝。
感動を与え、夢を目標を与えてくれた。
ありがとう!
お疲れさまでした!