気血水とは?
中医学を学んでいると「気・血・水」という言葉がよく出てきます。
なんとなく分かるけれど、なんとなく分かりません。
詳しく調べてみました。
気・血・水は生命活動を行う基本物質です。
気とは内蔵を働かせるエネルギーで生命エネルギーです。
血とは血液のほかに全身を巡る栄養物のことです。
水は全身を潤す血液以外の体液の総称です。
カラダを支える3本柱なのです。
(「水」と書かれているものと「津液」と書かれているものがありますが、同じことです。水は日本風、津液は中国風な言い方ということです。)
ひとつずつ見ていきましょう。
気とは?
気には2種類あります。
「先天の気」
親からもらった生命力のことです。
髪の量や歯の生え方に差があるのはこの気の力です。
生まれつき丈夫な子もいれば病弱な子もいます。
が、先天の気が少ないからと言って一生病弱なわけではありません。
それは「後天の気」があるからです。
後天の気とは飲食物で得た気です。
虚弱体質でも強健な身体にできるのです。
気の作り方
肺の呼吸で作られた気と、食べ物の気が合わさり「気」となります。
中国の人は朝から太極拳をしているイメージがありますよね?
それは「鶏鳴時」と呼ばれる夜明けから3時間の気が一番強いからなんです。
強い時間の気を、太極拳という呼吸法で取り入れているんですね。
気の働き
気には5つの働きがあります。
・温煦作用→身体を温める
・推動作用→気の流れを生み出す
・固摂作用→下がらない・出血させない・津液を出しすぎない
・防御作用→身体のバリア機能
・気化作用→体外から取り入れたものを身体に必要な成分に変える(同化)
体内で不要なものを外へ出す(異化)がある。
気が少ないと冷えやすくなります。
また、お尻が垂れたりまぶたが重くなってくるのは気の固摂作用が弱まっているから。
太りやすい人は不要なものを出す異化作用が弱く、
太りたいのに太れない人は、食べたものを必要な成分に変える同化作用が弱いことが原因なのです。
血とは?
血液は身体に栄養と酸素とうるおいを運ぶ成分です。
もうひとつ、精神を安定させる成分もあります。
血が多いと心が落ち着き、安らぎます。
血が少ないとクヨクヨしたりイライラしたり眠れなかったり不安定になります。
血の作り方
血は赤い食べ物で作られます(まぐろ・かつお・クコの実など)
食べた物→脾で消化吸収→心と肺の気化作用→血になる。
血が足りない人は脾や肺・心の状態も考えることが大切なのです。
(脾や心などはこちら→)
水とは?
水とは津液ともいいます。
津→サラサラで皮膚や粘膜を潤します。
液→トロトロで骨髄・臓腑を潤します。
潤いのもとで身体の中の悪い熱を冷ます働きがあります。
水の作り方
食べた物→脾胃で消化吸収→小腸と膀胱の気化作用→
→清い水(清水)となり、気の同化作用で水(津液)になる
→濁った水(濁水)となり、気の異化作用で尿となり排泄される。
ここで大切なのは気血水の関係です。
気血水の関係
血や水が作られるときに気の作用が関わっています。
気があってこその血と水なんです。
気はトラックです。
荷台に血や水を乗せていても、トラックが動かず走ってくれなければ荷台の血や水も運ばれません。
気が流れないと血や水も流れないのです。
また気が充分にあると血や水もたくさん作られるようになります。
また逆に血や水が出るときには気も一緒に出ていってしまいます。
例えば汗をかくと疲れます。
これは、汗として水が出ていくときに気も出ていってしまっているからです。
大量出血すると気を失うもの同じ理由です。
次回は気血水の症状に合わせて何を食べたら良いかにつなげていきますね。