五臓とは
前回、気血水の6分割で症状を見ました。
こちら→【薬膳】気血津液弁証について
今回はそれに五臓も知ることで、さらに細分化しピンポイントで症状を知ることができます。
体調を聞いて五臓のどこの不調か判断し、気血水につなげ、そして食材へとつなげるのです。
五臓とは
五臓とは「肝・心・脾・肺・腎」のことです。
西洋医学は見えるその臓器に名前が付けられていますが、中医学はその臓器の働きに名前があります。
なので「肝」は一般的な「肝臓」ではないのです。
肝とは
肝は例えるなら織田信長のような存在。
重要な仕事ができ、とても有能だけど、すぐカーッとなってキレやすい織田信長っぽい性質があります。
とても強く「剛臓」とも呼ばれます。
気性が激しくすぐに八つ当たりします。
(織田信長が八つ当たりしていたかは知りませんが…)
肝は特に脾に八つ当たりをします。
肝の働き
「疏泄(そせつ)」
気血の流れを司っています。
疏とは通りが良いこと。
泄とはのびやかなこと。
「蔵血(ぞうけつ)」
血液の流れる量をコントロールします。
血液の貯蔵倉庫のような役割です。
肝の異常
肝は「疏泄異常」のストレスが溜まると出る強い異常と、「蔵血異常」の血が不足して貯められていないときに出る弱い異常があります。
強い異常は
イライラしたり、キレたり、怒りっぽくなったり。
鼻血(勢いよく出て止まらない)
目が赤い、偏頭痛など。
弱い異常は
ふらつき、貧血、視力低下、目のかすみ
爪の異常(白い点)、足が攣る、無気力、ため息など。
これを薬膳で考えると、
例えば
目がかすむ、なんだかフラフラする
↓↓↓
肝のトラブル
↓↓↓
血が足りない。
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血を補う食材をすすめる
緑色の食材(ほうれん草・小松菜など)
とつなげるのです。
同じ目のトラブルでも
目が充血して、怒りっぽい場合は
ストレスで気血の流れが悪くなっていることになるので、
そのため気血を流す食材をすすめるのです。
例えば青背の魚+柑橘系(すだちをしぼる)などになります。
血が足りていないのか、血の流れが悪いのか、肝の異常でも選ぶ食材が異なるのです。
心とは
心とは例えるなら大統領のような存在。
五臓の中ではどれ偉いとかは無いけれど君主的な存在です。
他の脾や胃が弱くても日常生活が送れないことはないけれど、心が弱まると日常生活に支障が出ます。
五臓の中で一番守られている最も重要な存在です。
心の働き
「主血(しゅけつ)」
全身に血を送り、体温を保ちます。
血液の生成にも関わっています。
「蔵神(ぞうしん)」
精神、理性を司る。
正常な判断や思考を司ります。
心が異常をきたすと正しい判断が出来なくなり、もう薬膳ではどうしようもなくなります。
心の異常は精神まで影響する強い異常と、血を送り出す力が弱まることからくる弱い異常があります。
強い異常
不眠、パニック、発狂、興奮、口渇、黄尿。
舌先が赤くなるのは 心の異常、不眠からなります。
追いかけられる夢や脅迫される夢などの悪夢をみるのもそうです。
弱い異常
動悸、息切れ、胸が痛い、怯え、不整脈、冷や汗、小指の痺れ、被害妄想などがあります。
心の異常には血管を強くしてくれるキクラゲが良いです。
ごぼうは血中脂肪を排出してくれます。
精神安定効果のある百合根やなつめは不安定になりがちな受験生にもおすすめと言われています。
まとめ
☆肝も心も「血を担当」しています。
肝は血を貯める、流す。
心は血を送り出す。
さらに精神を司ります。
次回は脾・肺・腎をまとめます。