明日、8年間住んだこの家を離れる。
淋しくないわけじゃない。
でも今はこれからの生活が楽しみでしかないんだ。
憧れの新築マンションだった。
このマンションを買ったのは10年前。
現在15歳になった長女がまだ5歳になったばかりの頃。
下に息子と末っ子も生まれ、子ども3人との5人家族になったので、当時住んでいた2DKの部屋が狭く感じてきた。
引っ越すなら長女が小学校に入学するまで!
そう決めて新居探しが始まったんだ。
『今の市内で、新築で、1階の専用庭付き!』
これは譲れない私のこだわりだった。
いくら探してもそうなかなか見つからない。
1階があっても専用庭がなかったり、1階専用庭庭付きがあっても隣の市だったり。
そして見つけた今のマンションはまだ更地で建つ前の状態だったけれど、とても気に入り条件も当てはまり購入を決めた。
こだわりを詰め込んだ私の城!
これから建つ新築のピカピカの家!
部屋の壁紙も、ドアのデザインもフローリングの色もドアノブの形ひとつにもこだわった。
キッチンは私の身長に合わせてもらい、料理するのも食器を洗うのも最適な高さにしてもらった。
毎日キッチンに立つことが楽しかった。
この新築マンションは場所も内装も私がほぼ決めた。
「俺は寝に帰るだけだからお前の好きにしていい」
そう言われ本当に好きにさせてもらった。
でもこの家とは今日でバイバイ。
次の家はみんなで決めた!
今まで住んでいたこのマンションを売りに出すことを決め、引っ越すことにした。
子どもたちにとって、転校はあまりさせたくないと思い、今の学校区で賃貸物件を探した。
だけど、この地域は人気地区と言うこともあり賃料がとても高い。
家賃予算に見合う物件はとても古く、そして狭い。
古いことは仕方ない。
今より良い部屋に住めるとは思ってない。
だけど狭すぎるのは厳しい。
これからどんどん子どもたちは大きくなる。
受験生の長女はひとり部屋が欲しいという。
男の子と女の子で部屋も分けたい。
なかなか良い物件に巡り合えない。
子どもたちと一緒に決めよう!
そう決めて子どもたちも休みの日にみんなで部屋探しをすることにした。
今の学校区での物件5件と、隣の市に住む実家の両親から「こっちの近くにしたら?」とすすめられていたので、とりあえずまぁ…な気持ちで実家近くの物件5件。
転校に気を使いすぎていたのは私だけだった。
いろんな部屋を見た。
子どもたちはとてもテンションが高く、「この家ならこの部屋は私の部屋ね♡」とか「ここはお風呂が広いからいいなぁ」とかそれぞれに言って楽しんでいた。
家具も何も無い部屋を見ることなんてないもんね。
そして子どもたちが3人同意見で選んだのは実家近くの部屋だった。
驚いた。
「ここなら学区が違うから転校になるよ?いいの?」
何度も聞いた。
でも子どもたちは「ここがいいやん!」「この部屋にしようや!」って。
確かに家賃の割には広いし、古いけどリフォームされて綺麗だし、何より角部屋だからどの部屋も明るい!
普通なら陽射しの入りにくい真ん中の部屋も出窓があるので太陽の光で明るい。
まだ照明器具すらない部屋で「明るい」と感じたのだから、本当に明るいんだ。
(昨夜カーテンだけ付けに行った時のひとこま♡)
みんなで選び決めた部屋で新生活はじめます!
部屋を決めてからは、あっという間。
引越し業者をきめたり、転校手続きをしたり、荷造りしたり。
子どもたちと新しい家の近くまで行き、近所を散策。
「コンビニが近くて便利だね!」
「公園もあるね。」
「本屋さんが近くて嬉しい♪」
子どもたちは小さなことにも喜んで楽しんでいる。
今回の離婚にも引越しにも子どもたちがとても前向きなんだ。
もしかしたら私を元気にさせるためかもしれない。
平気なふりをしてくれているのかもしれない。
だって友達と離れるのはやっぱり淋しいよね。
新しい学校への不安もあるよね。
チラリとそんなことも出しつつも、それでも新しい家、新しい学校、新しい友達が楽しみやね!って言ってくれる。
嬉しい。
みんなが同じ方向を向いて、新しい道を歩いて行こうとしている。
今回のことを前向きにとらえ、プラスに変えていく力がある。
子どもたち3人と私。
4人なら出来るんだ。
今は不安や心配よりも、これからの新生活が楽しみで仕方ない。
再出発。
明日は11月29日。
そう「いい肉の日!」
私たちのスタートになんてぴったりなんだろう!
さらに明日は新月。
願い事をしたり、新しいことを始めるのに適した日。
これ以上ない良いスタートになりそう!
新しい家で子どもたちと小さな幸せを大切にしながら、毎日を楽しんでいきたいと思う。
いろんな思い出の詰まったこのマンション。
ありがとう
バイバイ