切れる包丁がほしい
コロナで学校が臨時休校になっていた今年の春、息子にせがまれ焦げないフライパンを購入しました。
料理に目覚めた息子はフライパンの次は包丁がほしいと言い出しました。
確かに我が家の包丁は、切れるには切れるけど切れ味は良くない。
特に鶏肉を切るときはキコキコしなきゃ切れない。
安くはないけど高くもない包丁を使っています。
そんなときにお誘いいただいた今回の包丁づくりのお話。
包丁作っちゃおう!ってことになりました!
堺打刃物とは
堺は刃物の三大産地のひとつで、職人さんが一本一本手作りで仕上げる「打刃物」で有名です。
完全手作りのため一日10本から15本ほどしか作れず、堺打刃物は市場に出回ることも少なく、世界の料理人から注目を浴びています。
日本のプロの料理人の9割が堺の包丁を使っているそうですよ!
堺打刃物の榎並刃物製作所さん pic.twitter.com/5qogPglIx2
— sachiko@パーソナルフードトレーナー (@sasyrrs) 2020年12月16日
榎並刃物製作所
今回お邪魔させていただいた榎並刃物製作所さんは「火造り」という工法で刃物を作っています。
600年の伝統を受け継いでいらっしゃる伝統工芸士・鍛冶職人の榎並さんに楽しく教えていただきながら、世界に一本だけ、自分だけの包丁を作らせていただきました!
まさに「職人の場」といった雰囲気の製作所。
ワクワクします。
榎並刃物製作所さんで堺打刃物体験!
— sachiko@パーソナルフードトレーナー (@sasyrrs) 2020年12月8日
鉄の棒から包丁になるまでを体験させていただきました!
トントンの響き、1500度の熱さ、ファイヤー火花は熱くないことなど初めてのことだらけでとても楽しかった♪
世界に1本。
私だけの包丁が届くの楽しみです!
ありがとうございました! pic.twitter.com/cPK1KAlFFK
榎並さんはお話上手で、会話もとってもおもしろい♪
私は何より榎並さんの着ていた鍛冶場の「鍛」の文字のTシャツが気になっちゃいました(*´∀`*)
コレを欲しがる女性はそういませんよ?と言われながら「鍛」Tシャツ購入させていただいて、さっそく着用。
鍛Tシャツ着てジムで筋トレしようと思ってます♡
堺打刃物は「打」が重要!
型で抜いて作った包丁とは違い、打刃物は打って造ります。
鉄の塊を薄く伸ばして、それに鋼(はがね)をひっつけて、打って、削って、また打って、さらに打って、削って、強く鍛え上げられた包丁になっていくのです。
ん~♡
鍛え上げるって響きはマッスル魂が刺激されます(#^.^#)
さっそく体験させていただきました。
まだ鉄に鋼を貼り付けただけの状態。
右利き用包丁なのでこちらの面に鋼がついてます。(わかるかな?)
打ち
これを機械でトントンしていきます。
足元にペダルがあり、踏むと機械が動きます。
強く踏むと早く動くので力加減が難しい。
トントンカンカン打ちます。 pic.twitter.com/hwO9WYcjR2
— sachiko@パーソナルフードトレーナー (@sasyrrs) 2020年12月16日
榎並さんに介添えしていただいて実践。
榎並さんが包丁上部を支えてくださるので
「もし失敗しても僕の親指が潰れるだけです~」なんて冗談でおっしゃってました。
いやいや、職人の親指つぶすわけにいかないです。
(>_<。)
削り
トントンしたあとは表面を削っていきます。
これ、火花散ってすごく熱そうでしょ?
表面を削ります。 pic.twitter.com/Bzs61TL2Mo
— sachiko@パーソナルフードトレーナー (@sasyrrs) 2020年12月16日
榎並さんはまずこの火花を触らせてくれます。
全然熱くないんです。
手のひらに当たる感覚はあるけれど、温度はない。
雨粒のような感じです。
熱くないことがわかったら怖くない。
また打ち
表面を削ったらさらにトントン打って強くしていきます。
もっともっと打って、鍛えます! pic.twitter.com/6b8FPfuMJf
— sachiko@パーソナルフードトレーナー (@sasyrrs) 2020年12月16日
さらに打ち
堺の打刃物は包丁の表面がフラットではなくてカーブしているそうです。
そのカーブをこちらの機械でさらにたたいて作っていきます。
これがまた難しかった。
機械を変え、さらに打ちます!! pic.twitter.com/lADLEZ0mZj
— sachiko@パーソナルフードトレーナー (@sasyrrs) 2020年12月16日
切り
ここから包丁の形を決めていきます。
右が「関東型」、真ん中は「関西型」、左は「三徳包丁」
関東・関西は千切りなどするときには刃が全面に当たるので切りやすい。
しかし、刃こぼれはしやすい。
三徳包丁はカーブが付いているので一部しか当たらないので刃こぼれはしにくいが、まな板に当たる面が少ないぶん切りにくさもある。
使う人の好みだそうです。
私は関西型にしました。
線を引きます。
切り取っていきます。
鉄を切るなんてかなりの力がいりそうですよね。
でも腕の力というより、身体の使い方でした!
一応普通の40歳女性よりは体幹しっかり鍛えているので、切る姿勢がキレイで上手だと榎並さんにめっちゃ褒めていただきました♪
いらない部分を切り取ります。 pic.twitter.com/ByibPDXUYL
— sachiko@パーソナルフードトレーナー (@sasyrrs) 2020年12月16日
削り
さらにいらない部分を削っていきます。
さらに削ります。 pic.twitter.com/RL0RdhVMzU
— sachiko@パーソナルフードトレーナー (@sasyrrs) 2020年12月16日
ペアルックの鍛Tシャツw
なんかおもしろいw
抜き
次は持ち手の部分を整えます。
型で一気に抜いていきます。
持ち手の部分を型で抜きます。 pic.twitter.com/5AVEG4zR7z
— sachiko@パーソナルフードトレーナー (@sasyrrs) 2020年12月16日
キレイに抜けました。
続いて持ち手が痛くないように角を削っていきます。
このひと手間って使い手のための優しさですよね。
焼き
包丁を焼き上げる前に泥を塗ります。
800度ほどの熱で焼くと包丁の表面に酸化鉄が浮いてきてしまい、いい包丁にならないのだそう。
さらに焼いて水につけると泡が立って水を弾くので、泥で水を吸着させて焼きを入りやすくするんだそうです。
昔からのやり方だそうですが、本当に凄いですよね。
泥を塗って表面乾かしたら、いよいよ「焼き」です。
鍛冶職人にとって神聖な場の炉の前にも入らせていただき、直接火の中へ包丁を入れる作業もさせていただけます。
温度は高くても低くてもだめ。
火の色を見て800度の温度を判断されています。
炉の中に包丁を入れると赤くなってきます。
真っ赤になった包丁を・・・
泥を塗り乾かしたら炉の中にいれ焼きの作業。
— sachiko@パーソナルフードトレーナー (@sasyrrs) 2020年12月16日
真っ赤になった包丁を勢いよく水の中にいれます。 pic.twitter.com/3XgCANEDVh
水の中にドボン!!
ジュワジュワ~と衝撃が手に響きます。
振動がなくなったらもう一度表面を炙って鍛冶屋の包丁づくりはここまでです。
このあと研ぎ師さんが研いで仕上げてくださるとのことです。
約2週間ほどで自宅に届く予定です。
楽しみ~♪
(届いたらまた追記しますね!!)
榎並刃物製作所さんで包丁づくり体験まとめ
とても貴重な体験をさせていただきました。
包丁づくりってトントンカンカンの打ちを少し体験させていただけるくらいかと思っていたのですが、打ちも削りも焼きまでもがっつり3時間ほどかけてしっかり体験させていただけました。
榎並さんのお話も本当に面白くて、楽しかったです!
榎並さんの打刃物は「悪縁を切り、未来を切り開く」と住吉大社に奉納されたこともあるそうです。
切りたい悪縁はそれほどないけれど、未来はどんどん切り開いていきたいのでこれをつかう2021年が楽しみです!!
榎並さんの包丁はきちんと手入れすれば20年以上使えるそうです。
包丁の研ぎ方も教えて下さいました。
これでますます料理が楽しくなりそうですよね!
ありがとうございました!
【榎並刃物製作所】
★事前予約が必要です★
包丁造り体験:第2・第4日曜日開催(要予約)
価格:15,000円
年齢:とくに決まってない(6年生くらいから大丈夫とのこと)
所在地: 大阪府堺市九間町西2-2-25
電話番号: 072-233-0217
アクセス: 阪堺電車神明駅から徒歩4分
(南海電車堺駅から車で5分でした)