「なくしもの」
木村信子
どこでなくしたの と きかれたから
なくしたばしょを しんけんにかんがえた
いくらかんがえても わからないから
そういうと
ほんとに ぼんやりなんだから
と しかられた
もういちど よくかんがえてみて
たぶん あのとき
あそこかもしれない と いうと
なぜ そのとき
すぐに きがつかなかったの
と しかられた
ひとりになってから
さっき いわれたと おなじことを
いいながら
じぶんで じぶんをせめた
かってもらったばかりだったんだもの
いちばん くやしいのは ぼくだもの
小学2年生の子供が宿題で詩の音読をしていました。
最後の一文。
いちばん くやしいのは ぼくだもの
そうやんね。
親って「なくしたこと」に対して怒ってしまう。
なんでなくしたの?
なんで気付かないの?
もったいない。
せっかく買ったのに…など言ってしまいますよね。
でも、なくした本人も悲しいんだよね。
悔しいんだよね。
なくしたくてなくしたわけじゃない。
大切にしていなかったわけじゃない。
じぶんで じぶんをせめた
深い一文。
子供の心に寄り添える親になりたい。
事実だけではなく、目では見えない心の部分に気付いてあげたい。
子供の宿題で、ふと考えさせられました。
写真は今日の夕焼け。
美しさに癒されました。